カミーノ ことばの巡礼  

深いところで私を変えたカミーノ巡礼。記憶を言葉に還していきます。

巡礼23日目② ベネディクスィヨン!

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巡礼23日目② リエゴ・デ・アンブロス → カンポナラジャ

 

ぽかぽか陽気の中、まっすぐな道が続いていた。

桜、椿、木槿・・・いろんな花が満開だった。

 

道すがら、イヴが桜の枝を折って私にくれた。

気持ちは嬉しかったが、ためらいなく折ってしまう無神経さに心が痛んだ。

私は、なんちゃってフランス語でイヴに言った。

 

わたし「Au Japon(日本では)」

イヴ 「Oui」

わたし「木の枝を折ったりしない」

イブ 「Pourquoi?(なぜ?)」

わたし「だって、命。・・・生きものだから」

 

イヴはシュンとしてしまった。(ごめん)

私は桜の枝をリュックにさして歩き出した。

 

「オラー」

 

後ろからやってきたペリグリーノに声をかけられた。

男性と女性の二人連れだ。

 

きれいな桜ね、と私のリュックの枝を指さして女性が言った。

女性は30代くらい、隣の男性は50代くらいだろうか。

国籍をきいたら男性がオーストラリア、女性はドイツだという。

カミーノで出会い、仲良くなり、しばらく一緒に歩いているのだそうだ。

 

私が日本から来たと言ったら、女性は笑顔で答えた。

 

女性 「この花、日本では〝sakura〟って言うんでしょ?」

わたし「そう。〝sakura〟」

女性 「私は日本語少し知ってるの」

わたし「うん」

女性 「〝arigato〟」

わたし「ありがとう!」

 

 

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二人を後にして、私とイヴはどんどん歩いた。

 

わたし「なんか臭い・・・」

      間

イヴ 「Vache」

わたし「ばっしゅ?  Qu'est-ce que c'est?(なにそれ?)」

イヴ 「Vache・・・lait ・・・milk」

わたし「みるく」

イヴ 「Fromage・・・yaourt (チーズ、ヨーグルト)」

わたし「(日本語で)わかった! 牛!」

イヴ 「(鳴き声をまねて)Moooooh〜〜!!」

 

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わたし「イヴ! Regarde!・・・Cigogne!(こうのとり)」

イヴ 「Curieux!」

わたし「きゅりゆー? Qu'est-ce que ça veut dire?(どういう意味?)」

イヴ 「Curieux ・・・Bizarre・・・」

わたし「あ〜うい〜、せ・びざー!」

 

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わたし「あ、ムートンだ! Mouton! C'est mignon〜!(かわいい)」

      ダッシュで近づく。

イヴ 「(フランス語で何か言う)」

      羊たち、逃げる。

わたし「あ、逃げちゃった」

イヴ 「・・・Tu es méchante」

わたし「めしゃんって意地悪? 意地悪じゃないよ!」←攻撃的という意味かも?

 

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まっすぐな道の途上に小さな教会があった。その庭に小さなマリア像が立っていた。

私たちは一緒に祈りを捧げた。それから、マリア様の写真を撮った。

 

撮った写真には、不思議な光が写っていた。

 

わたし「(iPhoneの写真を見せて)ねえ、このVierge marie(マリア様)」

イヴ 「・・・・・・」

わたし「Lumière・・・ Mystère(謎の光)」

      間

イヴ 「Bénédiction!」

わたし「ベネディクスィヨン・・・祝福ってことか!」

 

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スペインの巡礼道、「カミーノ・フランセ」。

「フランス人の道」をフランス人と歩きつつ、

私のなんちゃってフランス語留学は続き・・・。

 

私たちはカンポナラジャに向けて、のんきにのんきに歩いて行った。 

気付くとサンチャゴ・コンポステーラまで、あと200キロを切っていた。

 

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