SAINT-MAXIMIN
夢の中の夢 旅の中の旅
振り返ると いくつもいくつも
美しい瞬間に満ちていた
その瞬間を生きているときに
どうしてもっと気づけないのか
その美しさとまさにその時
触れ合っていることに
すべては瞬く間に
誰もいない記憶の国に吸い込まれてしまう
本当にそれはあったのか
誰にもわからなくなる
地上で体験することは すでに最初から思い出のよう
いとおしく さびしい・・・
きらめく光の中でも 暗い闇の中でも
私は存在するものと同じく等しく 流れている
大きな流れと一つになって
個人の体験を味わっている
生きていることそのものが 旅のようなものだから
夢の中で夢を見るみたいに 旅の中で私たちは旅をする
エクサン・プロヴァンス → サン・マキシマン
バス乗り場。AIX-EN-PROVENCE駅から南にあるParc Relais Krypton。
「varlib」Brignoles行き 4003番(6€ )。
SAINT-MAXIMIN-LA-SAINTE-BAUME (Pré de Foire)まで約1時間。
何にもないバス停で降りると、予約していたホテルが目の前にあった。
マグダラのマリアの聖遺物があるバジリカへは、そこから徒歩10分。
クリプトへ降りる階段のところに、マグダラのマリアの像。
その奥に、マグダラのマリアの聖遺物といわれている頭蓋骨。
黒い髑髏と、皮膚の一部。
イタリア人の観光客たちがひしめき合って写真を撮っていた。
(私は撮らなかった・・・)
バジリカの隣には観光案内所。
サント・ボームへの行き方を尋ねたが、直行バスはないという。
折しも翌日がペンテコストだったこともあり、徒歩での巡礼ツアーを勧められた。
歩いて何時間? と聞いたら、サント・ボーム の修道院のパンフレットを渡された。
ペンテコストのミサ
翌日はバジリカでペンテコストのミサに出席。
配られた紙を見ながら、フランス語の賛美歌を一緒に歌った。
ホームステイ先のマダムから「大きなパイプオルガンがある」と聞いていたが、
現役のそれは確かに大きく、豊かな響きをもって鳴っていた。
マルセイユの時のように、ここまで来ることができた導きに感謝した。
「ここまで来させてくださったことに感謝します」。
その時、言葉が浮かんだ。
「自分に感謝してください。私たちにではなく」
「体に感謝してください。ここまであなたを連れてきたのは体です」
帰りのバスは Lycée Janettiという比較的大きなロータリー出発。
バジリカからは少し離れているが、学校の前だからすぐにわかる。
バスの窓から、サント・ボーム山塊が見えた。
胸がときめいた。