AIX 通り過ぎた光の思い出は、私そのものかもしれない。
Aix-en-Provence
その街には噴水がたくさんある。
その街には大聖堂がある。
その大聖堂の回廊は、この街で私が三番目に好きな場所。
回廊見学には、無料のガイドツアーへの申し込みが必要だ。
開催時間は決まっている。
英語かフランス語か選ぶと、ガイドのマダムがその言語で情熱的に説明してくれる。
・・・お楽しみ!
その街では週に三回、マルシェが開かれる。
買い物して歩き疲れたら・・・
ミラボー通りから少し入った一角にあるブッキング・バーへ。
ホテル・コモン美術館の向かい側にある隠れ家カフェ。
ここは私がこの街で二番目に好きな場所。
美味しい紅茶とスコーンをいただきながら、本を読む至福の時間。
観光客が絶えない、この街はセザンヌゆかりの地でもある。
彼のアトリエは要予約。いつでも人でいっぱい。
でもこっち側はひっそり。この通りにセザンヌの生家跡ありき。
そして! 私がこの街で一番好きな場所。
(地元の人しか行かない)美しい広い公園〜!
芝生の緑。流れる小川。プロヴァンスの光。
大きな空洞のある木の場所は、公園の真ん中あたり。
この公園でよくテイクアウトのランチを食べた。
休憩時間に宿題をした。
オーストラリア人の友人やアメリカ人夫婦と、またはただ一人、ゆっくりと歩いた。
この街に滞在した二週間、この公園の緑が私を元気付け、癒してくれた。
この街に滞在したのはわずか二週間。
それなのに、短い暮らしの場として記憶に深く刻まれた。
エクサン・プロヴァンス。
サントボームへの巡礼ありきで選んだ、この街。
でも私の選択は正しかった。語学学校も最高だった。
授業はついていくのが必死で泣きそうだったけど、充実していた。
私は私の望みを叶えてあげた。それは誇らしいこと。
生きる=体験。
でも体験は、あっという間に去っていく。
「今」しかないのに、「今」っていう間もなく「今」は去っていく! あっ!
すべては循環する一つの大いなる流れ。
私は体験を通して、それらを眺めている者。
通り過ぎた光の思い出は、私そのものかもしれない。
だからだろうか。
思い出すとき心は清められ、感謝が溢れてくる。