カミーノ ことばの巡礼  

深いところで私を変えたカミーノ巡礼。記憶を言葉に還していきます。

2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

巡礼14日目 カミーノは不思議な道だ、必要なことが必要な時に起こるように準備されている

巡礼14日目 タルダホス → オンタナス カミーノ巡礼道では小さな村でも教会があり、村の入口か出口には墓地がある。 「スペインの人たちはフランス人より信仰が厚い」フランス人のイヴは言う。 「フランス人はあまりミサに行かない。でもスペインの人たちは…

巡礼13日目② カミーノでは毎日、すべてが美しいんだよ

巡礼13日目② タルダホス サンチャゴ・コンポステーラへ至る巡礼ルートは幾つかある。 北スペインを海沿いに進む「北の道」、リスボンから始まる「ポルトガルの道」。 フランスからはル・ピュイ・アン・ヴレを基点とする「ル・ピュイの道」など。 私が歩い…

巡礼13日目① あらかじめ決めた目的地より、いまここにあるワクワクを選んで進む

巡礼13日目① アタプエルカ → タルダホス アタプエルカを出て数時間、丘の道を歩いていると、後ろから声をかけられた。 振り向くと、昨日アルベルゲで会ったフランス人のイヴがいた。 また会えた! 嬉しくなって喋りながら一緒に歩き出した。 二人で丘を越…

巡礼12日目② 荷物の詰め方一つにも、人生がにじみ出る

巡礼12日目② アタプエルカ アタプエルカのアルベルゲに着くやいなや、ベッドに倒れ込んだ。 腰が痛くてたまらなかったのだ。 8〜9キロの重さのあるバックパックのせいだろうか。 これまでの疲れが一気に来たのだろうか。 今後のことを考えると不安になっ…

巡礼12日目① 言葉を伝えることはできなくても心は伝えることができる

巡礼12日目① ビジャンビスティア → アタプエルカ オカの山道はぬかるんで、雪も残っていた。 歩くたびにトレッキングシューズがずんずん重くなった。 私の前を赤いバックパックの巡礼が歩いていた。 背中のフォルムと歩き方が安定していて、美しかった。 …

巡礼11日目 足にマメが10個あって痛いからバスだよバスっ!

巡礼11日目 グラニョン → ビジャンビスティア 朝の食事で名前をきいた。 デンマークからきたと言う、彼の名前はタイス。 アルベルゲを出てしばらく一緒に歩いた。 けれど歩くスピードが随分違う。 私が速いのだ。ペースが合わない。 私は先に行くことにし…

巡礼10日目③ 私が歩いているのではない 導かれているのだ

巡礼10日目③ グラニョン 止んでいた雨がまた降りはじめていた。 手袋をしていない手がかじかんだ。 上りの道がじわじわ続いていた。 早くアルベルゲのある村に入りたかった。 凍えそうに寒くて、それでもまだ坂道で、 だんだん腹が立ってきた。 誰もいない…

巡礼10日目② 犬が吠えるのは前兆。小さな違和感を無視しないこと。

巡礼10日目② ナヘラ → グラニョン 私道に入って巡礼道を逸れるたび、 家畜が騒いだり、犬が吠えたりしたものだ。 だから「犬が吠える」のは前兆だと思ってずっと用心していた。 けれど私はだんだんカミーノに慣れてきていた。 だからこの日の午後、 鶏や犬…

巡礼10日目① 誰かから与えられる言葉は、次の冒険への切符なのだ。

巡礼10日目① ナヘラ → グラニョン この日は試練の一日だった。午前中はゆっくり歩いた。 道の途中でイレーヌに会った。彼女は言った。 「今日泊まるならグラニョン。そこにいいアルベルゲがある」 そのアルベルゲの何がいいのか、英語力の乏しい私にはわか…

巡礼9日目 出会いは奇蹟。その後ろに流れている大いなる意志に身を委ねる。

巡礼9日目 ログローニョ → ナヘラ 巡礼道を歩いていると話しかけてくる、ローカルのスペイン人たちの親切さ。 「今日君が泊まるアルベルゲはあっちだ」 「君は○○のカテドラルに行くべきだ」 「この町の○○は食べたほうがいい」 「向こうの方が近道だ」とか、…

巡礼8日目 神様のなさることはすべて、時にかなって美しい。

巡礼8日目 トリス・デル・リオ → ログローニョ ログローニョ。 ここでは、アルベルゲではなくペンションに泊まった。 私は疲れていた。 英語もスペイン語も聞きたくなかったし、ひとりになりたかった。 そして思いっきり、バスタブ付きのお風呂に入りたかっ…