巡礼41日目 ひとりで歩き始めて、ひとりで帰る旅。 地球を去る時も、きっと同じ。
巡礼41日目 ルルド → パリ
11時15分。ルルドでフランス語のミサに出た。
様々な国籍の人たちがいる中で、日本人は私だけ。
パイプオルガンの音。フランス語で唱えられる聖母の祈り。
いつものようにミサは進行。その最後、祝福の列に私は並んだ。
サンチャゴ・コンポステーラでも並ばなかったから、初めてのこと。
もうここなら並んでもいいと思ったのだ。
カトリック教徒じゃないけど構わない。
私は900キロ歩きぬいたのだ。資格はある。祝福されてしまえ!
たくさんの信者たちと一緒に、私は祝福を受けた。
あっけないほど簡単だった。
なんの垣根もなかった。とがめる人もなかった。(当たり前だ)
メリデの教会でおばあちゃんがくれた大きな愛の宿題を、やっと解き終えた気がした。
すっきりした!
私のカミーノのクレデンシャルは、ルルドの大聖堂でもらったスタンプで締められた。
私のカミーノが本当に終わろうとしていた。
ひとりで歩き始めて、ひとりで帰る旅。
地球を去る時も、きっと同じ。
自分の可能性を信じてあげたい。
自分で思っている以上に、私たちは自分を小さく制限してるから。
無意識の足かせを外したい。(本当はそんなものはないのだから)
カミーノが私に与えてくれたたくさんの豊かさと美しさに、感謝する。
そしてそこへ連れて行ってくれた私の体に、感謝する。
歩いた旅とことばの旅を通して出会った、たくさんの人たちに、感謝する。
Merci beaucoup!