カミーノ ことばの巡礼  

深いところで私を変えたカミーノ巡礼。記憶を言葉に還していきます。

Etape15 Limogne-en-Quercy ~ Vaylats①

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Etape 15  Limogne-en-Quercy ~  Vaylats① 16km

 

タンポポの畑で寝転んでいた。

靴下も脱いで裸足で。

誰もいない 誰もいない ただ鳥の声と風だけ・・・

 

Vaylatsまでの距離は16Kmだったから、ゆっくり歩いても昼前には着いてしまう。

修道院の受付が開くまで、時間があった。

受付も開いた直後だとシスターたちは忙しいはず。

もう少し経ってから行こうと思い、私はタンポポのベッドに寝転んだ。

 

この日歩いてきた道も、最高だった!

 

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Bach

 

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バッハという小さな村。

美しい教会で、しばし休む。

 

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教会があることで、どんなに私は救われたことだろう。

休息できるし、雨宿りできるし、祈ることができる。

誰にでも扉は開いている。

 

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ステンドグラスによる祝福。

反射する光の美しさ。

思わずバカみたいに口を開けて、見入ってしまう・・・

 

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Toilettes publiques

 

この地域には、立派な公衆トイレもあった。

水もちゃんと出るし、ペーパーもあるし、ゴミ箱もある。

アンぺカーブル!

 

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私がここに着いた時、

30代位のお姉さんがちょうど掃除をし終わったところで、ピカピカだった。

嬉しくなった私はお姉さんに、オーバーアクションでお礼を言った。

お姉さんは「どういたしまして」と笑った。

 

掃除用具をマイカーに積んで、お姉さんは去って行った。

村の人たちが交代で管理しているのだろう。

みんな、善意に満ちている。

公共施設の清潔さで、住民の民度の高さがわかってしまう。

 

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ちなみに。

私の、犬に噛まれた傷は着実に癒えてきていた。

応急手当をしてくれたベルナールとジャン・ピエール、

泊まったジッドのジャン・マリとエルディー。みんなのおかげだ。

 

歩けるということは素晴らしい。

 

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ほどなく、いきなり標識が現れた。

誰も通らない田舎道の、さらに細道。

蝶々がひらひら舞って、私を誘った。

 

私はmaps. meを開いて、そこから修道院までの距離を確認した。

近い。まっすぐ行ったら、あっという間に着いてしまう。

到着してしまうのがもったいなくて、私はゆっくりゆっくり歩いた。

 

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太陽の下でたっぷり充電し、そしてまた歩き出す。

 

・・・と、墓地に出た。

花で彩られたパラディ。天使像もいっぱい。

 

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Couvent de Vaylats (Filles de Jésus)

 

修道院に到着。予想以上に大きい、古い建物だ。

開いている門から入って、受付へ。

 

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・・・さて、と私は思案する。

ここで分かちあった素晴らしい一日を、どう書いたらいいのだろう。

とにかく私は本当に歓迎された。

 

80代のシスターたちのホスピタリティーの素晴らしさと、底抜けの明るさ。

出された料理の美味しさ。

一緒にあずかったミサの神聖さ。

忘れられないことが多すぎる。

 

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受付で名前を告げ予約を確認すると、別室へ移動するように言われた。

そこで設備や食事などの説明をするとのこと。

重いリュックを背負ったまま別室に行くと、先客の巡礼がいた。

 

・・・それは、もちろんジェニファーだ。

 

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